平成17年度研究外部評価結果の概要

1 概要

  県民ニーズや産業界の高度化、多様化するニーズを踏まえ、かつ官民の役割分担の中から効果的・効率的な試験研究活動を行っていくことが重要となっている。これらを実現するため、研究課題の設定から研究成果に関し、適切な評価を実施する仕組みを整備することが必要である。
  石川県工業試験場では、石川県試験研究評価指針(平成16年3月26日策定)に基づいて作成した試験研究評価に関する実施要領に従って、研究開発事業の活性化と成果普及の促進および客観性の確保を目的に研究外部評価を実施した。
       
2 開催日時
部 会 開 催 日 事前評価 中間評価事後評価
機械金属部会 平成17年9月30日(金)
電子情報部会 平成17年10月4日(火)
繊維生活部会 平成17年10月5日(水)
化学食品部会 平成17年10月5日(水)


3 評価方法

  本年度は、事前評価4テーマ、中間評価3テーマ、事後評価11テーマを対象とした。専門的立場からの有益な評価を得るため、昨年と同様に研究テーマを機械金属、電子情報、繊維生活、化学食品の4分野に分類し、それぞれの分野別の評価委員会が、外部評価を実施した。各評価委員会では、研究テーマ毎に事前に委員に送付した研究評価調書および研究テーマの主担当者による説明と質疑応答に基づき評価を行った。
  なお、採点方法は、研究テーマ毎に研究の必要性、計画の妥当性、目標の達成度、成果の発展性などの評価基準を設定し、各評価基準で5点法による評点を行ったあと、合計点を算出し、全委員による平均合計点を最終的な評価点とした。また総合評価については、最終評価点をA〜Eの5段階に区切り優劣を判定した。さらに数値的評価以外に委員からの助言や意見はコメントとしてまとめた。
   
1) 5点法による評価
5:極めて優れている 4:優れている 3:普通 2:要改善1:劣っている

                         
2) 総合評価(各基準の5段階評価の合計点により判定)
事前評価
(20点満点)
A:優先実施(20〜18点)     B:実施(17〜14点)        C:改善後実施(13〜10点)
D:必要性低(9〜8点)      E:必要性無(7点以下)
中間評価
(20点満点)
A:優先継続(20〜17点)     B:継続(16〜12点)        C:改善後継続(11〜8点)
D:中止(7点以下)
事後評価
(15点満点)
A:予想以上(15〜11点)     B:目標達成(10〜6点)      C:達成不十分(5点以下)


4 評価結果

  事前評価、中間評価、事後評価の対象となった合計18テーマは、県内関連業界の技術開発や新製品開発の支援を目的に実施あるいは立案されており、また研究成果の技術移転も着実に進められていることから、事前評価および中間評価については、ほとんどがB評価となり、事後評価については、11テーマ中6テーマがA評価、残りがB評価という結果となった。
 なお、各研究テーマの外部評価結果の詳細については、個別表に記載した。また、各委員から得られたコメントについては、研究担当者にフィードバックし、それぞれのコメントへの対応を考えさせ、来年度の研究実施内容に反映させた。


5 その他

  特に機械金属部会からは以下のような講評があった。工業試験場では、IT、ナノテク、医療福祉など現在の我が国が必要としている先駆的な分野と、地方産業に関連した分野の二分野を中心に研究を展開されており、その研究テーマ発掘に対しても機械金属産業の業界から現在求められている技術を探索するなど研究対象の絞り込みには適切な手法が使われている。研究評価項目としては、開発的要素が強いテーマと基礎研究的要素が強いテーマとがあるため、それぞれに即した評価項目を検討する必要があると思われる。また研究報告の中には事後評価の場合もあり、全てが100%の達成度であるとは言い難いが、積極的な取り組み姿勢が評価できる。


6 研究外部評価対象テーマ一覧

○事前評価    
番号 研 究 テ ー マ 評価点評価
05−P1 超薄板製品の三次元溶接技術の開発 13.2
05−P2 電磁波ノイズ低減を目指したプリント基板設計手法の開発 14.5
05−P3 土木資材用高性能合成繊維の開発 14.6
05−P4 磁器素地の品質向上研究 16.0

○中間評価
番号 研 究 テ ー マ 評価点 評価
05−M1 ホームページ上の情報検索推薦システムの開発 13.7
05−M2 ヘルスケア繊維素材の研究開発 13.3
05−M3 食中毒の原因となる菌の迅速検査方法の研究 16.1

○事後評価
番号 研 究 テ ー マ 評価点 評価
05−C1 微細加工機のためのナノ制御アクチュエータの開発 9.8
05−C2 セラミックス3次元ナノ加工技術の開発 9.6
05−C3 能登栗の皮むき省力化機器の開発 13.3
05−C4 2次元電気泳動遺伝子診断システムの実用化研究 12.0
05−C5 マルチセンシングと画像処理による識別システムの開発 12.2
05−C6 有機フィルムを用いたセンサの高機能化研究 10.6
05−C7 視認性向上を支援する色覚シミュレーションシステムの開発 12.8
05−C8 消費者ニーズに対応したデザイン開発手法の研究 9.4
05−C9 食品残さ等ゼロエミッション技術開発 9.8
05−C10 県産農産物を活用した機能性食品の研究 13.0
05−C11 ろくろ成形用白磁坏土の開発 12.9
7 研究外部評価委員名簿