ミルクホエー共存下におけるセリシンの改質とそのコーティングポリエステル布帛の特性

■繊維生活部 神谷淳 森大介
■企画指導部 山本孝
■イタリアシルク研究所 C. ペルッツオ G. M. コロンナ
■福井大学 堀照夫

研究の背景
 絹の有する独特の風合いや優雅な光沢等を再現するため,その感触などを模倣した各種合繊が開発されている。しかしながら,近年の衣料素材開発がヘルスケア重視の傾向となる中で,絹の持つ特性の中でも特に注目されている吸湿性や肌への優しさ(生体への適合性)等を合繊に付与する技術については未だ充分に達成されていない。また一方で,イタリアなどの絹織物産地では,その製造工程で大量に発生する絹廃棄物(セリシン)の処理が大きな問題となっている。そこで,我々はセリシンをジイソシアネートで架橋することで疎水性を付与し,高分子量化することで改質し,ポリエステルへのコーティング剤として利用することを検討してきた。本報告では,セリシンを架橋する際により親水性の高いミルクホエーを添加し,得られる改質セリシンへのミルクホエーが及ぼす影響を検討した。さらに,この改質セリシン/ホエーをポリエステル布帛へコーティングし,布帛の水分率,耐洗濯性等を調べた。


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