共鳴核反応分析法によるBCN膜中の水素量解析

■機械金属部 安井治之 粟津薫
■(独)日本原子力研究開発機構 楢本洋

研究の背景
 近年,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜に代表される炭素系薄膜は,工具・金型,自動車部品およびペットボトルやカミソリ刃等の民生品に実用化が急速に進んでいる。本研究では,DLC膜の摺動特性および硬度をさらに上昇させる可能性を秘めた次世代の炭窒化ホウ素(BCN)膜に着目した。このBCN膜などの炭素系薄膜は,水素との結合により硬さ等の機械的性質により大きく変化するため,膜中に存在する水素の量を非破壊で定量的に測定することが必要になるが,水素原子が内殻電子を持たないため,通常の内殻励起後の放出X線を検出する表面分析法が適用できない。そこで,高エネルギーイオンビームを利用した共鳴核反応分析(RNRA)法を利用して,BCN膜中の水素量の定量性を検討した。


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