磁器素地の品質向上研究

■九谷焼技術センター  ○橋宏 木村裕之
■金沢工業大学 大橋憲太郎

1.目 的
 九谷焼は,縁を薄く加工するなど,長年の間に築き上げた繊細な形状が特徴である。しかしながら,繊細な形状が原因で縁は欠けやすい傾向がある。このため,九谷焼は他産地の磁器製品と比較して,割れや欠けが発生しやすいというイメージが持たれている。衝撃試験の結果からは,九谷焼の素地強度が他産地の製品と比較して特別低いという事実はないが,素地の強度を向上させることは,九谷焼のイメージアップに有効であり,将来の新製品開発に対して必要な条件であると考えている。本研究は,磁器素地の品質向上として,既存の材料(透光性ハイ土)の強度の底上げを目標とした。九谷焼には既に強化磁器が市販されているが,本研究は強度の向上と上絵の加飾が可能な,九谷焼らしい製品開発に向けた材料の創出を主眼としている。本研究では,新規の材料を開発するのではなく,既に実績があり入手しやすい材料をベースにして,これに添加材を加えることとした。これにより品質を向上させ,様々な応用の可能性を提案することができるものと考えている。

全文(PDFファイル:23KB、2ページ)

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