伝統発酵食品を利用した食品素材の開発研究 ―石川県の伝統発酵食品がもつ成分と機能性について−

■化学食品部  ○武春美 勝山陽子 山田幸信 道畠俊英 中村静夫
■石川県立大学  榎本俊樹 久田孝 谷口肇

1.目 的
 石川県の能登半島沖は,暖流と寒流が交わる好漁場で海産資源に恵まれ,夏は蒸し暑く冬は雪が多い湿潤な気候条件であることから,食物の腐敗を阻止し保存性を高める発酵食文化が根付いている。県特有の伝統発酵食品には,日本海沿岸地域のイワシやフグなどの「糠漬け」,能登地方の「イシル(魚醤油)」や日本の三大珍味の一つである「このわた」,加賀地方の「カブラ寿し」や「大根寿し」などがある。近年,食品の機能性(抗酸化性,血圧上昇抑制効果など)が注目されるようになり,イシルについてはこれまで成分や機能性などについて明らかにしてきたが,その他の伝統発酵食品についてはほとんど研究がなされていなかった。そこで,本研究はこれらの県産伝統発酵食品の成分ならびに機能性について検討した結果,いくつかの有益な知見が得られたので報告する。

全文(PDFファイル:27KB、2ページ)

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