熱可塑性樹脂複合材料用繊維の研究開発

■繊維生活部 ○奥村 航 木水 貢 長谷部裕之

1.目 的
 繊維強化複合材料はプラスチックを繊維で強化した材料であり,軽量で高強度・高弾性率という特性から,車輌の軽量化等において鉄代替材料として注目されている。繊維強化複合材料に用いられる樹脂には熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂があり,前者は従来から使用されている熱で硬化する樹脂であり,後者は熱で軟化し冷却して固まる樹脂である。成形時間を短縮でき,リサイクルが容易ということから,近年,後者の熱可塑性樹脂を使った繊維強化複合材料の開発が盛んに行なわれている。しかし,一般に熱可塑性樹脂は溶けたときの粘度が高い為,強化繊維間に含浸しにくい。そのため,繊維と樹脂との間に空隙(ボイド)が多くなり,物性が十分に発現しないという課題がある。
 そこで,本研究では,熱可塑性樹脂を繊維化し,この熱可塑性の繊維を強化繊維の間に配置させ,成形時に熱可塑性繊維のみを溶かすことで複合材料化するコミングル法について検討した結果を報告する。

全文(PDFファイル:398KB、2ページ)

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