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溶接ロボット専用ティーチングシステムの開発

■メカトロ・アソシエーツ株式会社 ロボット課 坂井 信洋

■技術開発の背景
 ロボットに作業を行わせるためには,プログラムが必要であり,その作成方法には,ロボットを直接操作し位置や姿勢を記憶させるオンラインティーチングと,コンピュータを利用したオフラインティーチングがあります。オンラインティーチングには熟練技術が,オフラインティーチングには高価な3次元CADやロボットシミュレータが必要となる等の課題があり,ロボット導入の障害となっています。
 当社では,中小企業に広く普及している2次元CADを活用した溶接ロボット専用のティーチングシステムを開発しました。

■技術開発の内容
 溶接など平面的な作業であっても,ロボットには3次元の位置情報と姿勢情報のプログラムが必要です。そこで,
[1]2次元CADデータからロボット軌跡データを作成するソフト(図1参照)の開発および溶接ロボットの機構特性と熟練技術者のスキルのデジタル化
[2]プログラム上の座標系を実機に設定(反映)させるための基準治具及び周辺設備の開発(図2参照)
を行いました。これにより,2次元CADデータから最適な姿勢制御プログラムの生成が可能なシステムを構築しました。

(図1 ティーチング画面)
(図2 基準治具)

■製品の特徴
・ティーチングが容易(ロボットの姿勢を意識する必要なし)
・2次元CADデータを活用できる(高価かつ熟練が必要な3次元CADやロボットシミュレータが不要)
・ティーチングのための生産停止の時間が短い
 上記特長を有していることにより,作業の効率化や生産コストの削減が図れます。

(図3 開発システムによる溶接)

■今後の展開
 本システムは工業試験場の協力のもと,石川県から「平成21年度 競争力強化技術開発支援事業」,全国中小企業団体中央会から「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)」の支援を受けて開発したものです。
 今後は,溶接以外の分野への応用展開を図っていくと共に,様々な分野においてロボットを活用したシステムの開発に取り組んでいく予定です。