伝統工芸素材の忠実な質感を表現するデザイン支援システムの開発

■繊維生活部 ○餘久保優子 高橋哲郎 梶井紀孝 松山治彰
■電子情報部  加藤直孝

1.目 的
 伝統工芸品産地の生産現場は分業制で成り立つことが多く,材料の加工から表面の加飾・仕上げまでの各作業工程に複数の職種が関与するため,関係者間の意思疎通が重要となっている。しかし,近年のライフスタイルの多様化に伴い,消費者ニーズや流通形態が複雑化しているため,作り手・売り手・買い手(使い手)の間で,市場が求める製品イメージを共有しにくい現状がある。また,産地企業の多くは,商品企画力やデザイン力を向上し,新たな市場を開拓することが課題となっているが,提案型の商品開発を行うには,試作費用や在庫のリスクが生じやすく,継続的な取り組みを難しくさせている。
 そこで本研究では,新製品開発の工程にコンピュータグラフィックス(以下,CG)技術を用い,仮想的かつリアルな画像によって視覚的に情報を共有することで,関係者間の相互理解や共感を深めつつ,試作工程の合理化が図れるデザイン支援システム(以下,システム)を開発した。

全文(PDFファイル:943KB、2ページ)

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