HIPを用いた新規セラミックス材料合成技術の開発

■化学食品部 ○豊田丈紫 北川賀津一 中村静夫

 快削性マイカガラスセラミックスは機械加工性の他,電気絶縁性,断熱性に優れているため,半導体分野における各種部材としての需要が増えている。近年,電子部品の小型化に伴い周辺部品に対して高い加工精度が求められるようになってきた。快削性マイカガラスセラミックスの加工性能は,複合組織を形成するマイカ(雲母)結晶の大きさに依存するため,高い加工精度を達成するには結晶組織の微細化技術が必要となる。当場で開発したジルコン添加マイカガラスセラミックスは溶融結晶化法により得られ,焼結法に比べて気密性が高く板状のマイカ結晶がランダムに生成するため異方性を持たない快削性材料が容易に得られるという利点がある。一方で,溶融・再結晶化に要する製造コストが高く,マイカ結晶の長軸長を10μm未満に制御することが難しいという問題があった。
 再結晶化処理は高い内部応力を持つガラス状態を緩和する工程であり,圧力の要因を調べることは核生成機構を調べる上で大変有用である。そこで本研究では,加圧処理技術を再結晶化処理に利用することで結晶成長時における組織制御を試みるとともに,再結晶化処理の短縮とマイカ結晶の微細化を目的とした新たなHIP処理の利用方法の検討を行った。

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