平成15年成果発表会要旨集  
研究・指導事例成果発表

 シールド衣料による電磁波遮蔽の数値的な評価
 電子情報部 ○吉村慶之
 金沢大学 長野 勇 八木谷 聡

 電子情報通信技術の発展により,不要電磁波による機械の停止や携帯電話による心臓ペースメーカの誤動作などが問題となっている。特に携帯電話の爆発的な普及により,ペースメーカの使用者にとっては命に関わる重要な問題である。日本国内では,ペースメーカ使用者から22cm以上の距離をとって携帯電話を使用するよう勧告されている。しかし,混雑した電車やデパート内では22cm以上離れて使用される保証はなく十分な安全を保つためには,電磁遮蔽(シールド)材を用いて電磁波の侵入を抑制しなければならない。従来,これらのシールド効果は材料単体(平板)での評価であり,3次元的な機器の筐体や衣料での性能評価は困難である。また,3次元形状物体に開口がある場合は電磁波が回り込んで侵入すると考えられるため,材料単体のシールド効果とは性能が異なる。したがって,効率よく電磁波をシールドするためには,数値解析により3次元形状物体を伴う電磁波伝搬を考察し,シールド効果を数値的に評価する必要がある。ここでは,ファントム(擬似人体モデル)にシールド衣料を装着した時のシールド効果をFDTD(時間領域差分)解析によって求めることとし,測定実験を行うことにより,本数値解析手法の有用性を検討する。


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