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官公庁向け電子文書決裁システムの開発と評価
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■製品科学部 ○上田芳弘 加藤直孝 林克明
■NTT西日本金沢支店 魚棚鉄志
■金沢大学 木村春彦 |
官公庁における文書決裁業務は,まず意思決定の基となる文書を業務担当者(以下,起案者)が作成し,その直属の上司から順次,承認を受け,最終的に組織長の決裁を受ける。この承認中に文書は複数の承認者に回覧され,様々な検討が行われた後に公文書として発送・開示されたり,保存されたりする。
上記のように複数人が連携して行う業務を支援するシステムはワークフローシステムと呼ばれ,最近,伝票や報告書などの処理のための定型業務支援用システムの研究が進められ,普及が進んでいる。しかし,官公庁における文書決裁業務は個々の文書の重要性など,その性質により業務手順が異なる非定型業務に分類され,これを支援する研究,特に運用評価についてはこれまで十分には行われていない。そこで,この文書決裁業務を支援するワークフローシステムに必要な機能を検討し,電子文書決裁システムを構築した。さらに,本システムを実際業務で運用評価して,業務を効率化するためのシステムの運用方法を明らかにすることを目指す。
本報では,システムに必要な機能のうち,特にすべての文書を電子化することが困難であることに着目し,承認者が電子文書をクライアントパソコンで参照し電子的に承認する電子回覧とともに,従来どおり帳票を利用し紙文書を承認者に回覧して承認を受ける紙回覧のための機能を実装した。以下,このような電子回覧と紙回覧の処理方法の説明と実際業務で運用評価した結果について述べる。
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