非接触測定による形状評価を支援 ―共焦点顕微鏡を新たに導入―
製品の寸法・形状の評価は、品質管理に欠かせませんが、部品の小型化や微細化が進み、接触式の測定機では、測定子が入らないなど測定が困難な場合が増えています。
この問題を解消するため、工業試験場では、光学方式により試料の観察と形状評価を同時に行える「共焦点顕微鏡」を導入しました(平成23年度JKA設備拡充補助事業(競輪の補助金))。
測定例として、電子基板上のトランジスタを観察した結果を右図に示します。凹凸の大きい試料を観察した場合、一般の光学顕微鏡では(a)のように試料の一部にしかピントが合いませんが、共焦点顕微鏡では(b)のように深さ方向のすべてにピントの合った画像が得られるため、試料全体の観察が容易になります。
さらに、得られた画像を基に表面形状の測定が可能です。接触式の測定機では点またはラインでの測定となるため、広範囲の形状評価は苦手ですが、共焦点顕微鏡は測定視野全面の高さを測定しているため、測定結果の(c)鳥瞰図表示や、(d)任意の断面形状について寸法や角度などの形状解析を行うことができます。
形状評価について困っている事がありましたら、ぜひご相談ください。
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(a) 光学顕微鏡像 | (b) 共焦点顕微鏡像 | |
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(c) 鳥瞰図表示 | (d) 形状解析 |
□共焦点顕微鏡による測定例 (電子基板上のトランジスタ)
担当:機械金属部 根田崇史(こんだ たかし)
専門:精密測定、機械加工
一言:形状評価から高品質なものづくりを支援します。