降雪路面監視装置を高機能化  ―街灯の光を利用した夜間撮影手法を開発―

 降雪路面監視装置は、路面のカメラ映像などから降雪や積雪の有無などを自動的に検知する装置です。検知した路面状況は電光標示板に標示され、ドライバーに注意を促します。しかし従来は、夜間撮影用の特殊な照明ユニット(大型の赤外線投光器)が装置の価格を押し上げる要因となり、装置の普及の妨げになっていました。そこで、中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋(株)金沢支店、(株)松浦電弘社(野々市町)と共同で、一般的な街灯を利用した夜間撮影が可能な装置を開発しました。

 街灯は高速に点滅を繰り返しており、そのタイミングも一定ではないため、通常の撮影方法ではカメラ映像がちらつき、降雪等の検知には適しません。そこで、街灯の点滅のタイミングを電気的に検知し、それに同期してカメラのシャッターを切ることにより、ちらつきを防ぐ手法を開発しました。東日本と西日本では街灯の点滅の周期が異なりますが、開発手法はいずれにも対応することができます。タイミングの検知やシャッターの制御などを行う電子回路基板を試作し、フィールドテストを行った結果、夜間も鮮明な映像を撮影でき、その映像から降雪等の検知が適切に行えることを確認しました。 

 これにより、従来用いていた照明ユニットは不要となり、装置の低価格化が可能になりました。なお、本開発の一部はJST地域イノベーション創出総合支援事業により実施しました。


フィールドテストの様子(左)と夜間降雪時のカメラ映像の例(右)

 

担当:電子情報部 米沢裕司(よねざわ ゆうじ)

専門:画像処理、信号処理

一言:新技術・新製品の開発をぜひご一緒に