乳幼児と子育てのための繊維製品の開発

 安心して子育てのできる環境の整備や質の高い子供用品の開発が求められている中で、繊維や伝統工芸の新しい商品開発の方向性を提示するために、小松絹織物と加賀友禅技法を組み合わせた乳幼児と子育てのための製品開発に取り組みました。

 百貨店や専門店の乳幼児用品売り場では、世界の一流ブランドが溢れていますが、市場調査の結果、祖父母から孫へ・親から子へという高級ギフト市場に対応した、和風でモダンな質の高い製品が求められていました。そこで、小松の絹織物を使って、10人の加賀友禅染色家の個性を生かし、ワンポイントの模様を施した10点の「おくるみ」(図1)を試作しました。

 様々な展示会やセミナーで発表したところ、開発意図や表現技術、肌触りや風合いは好評でした。さらに、その際に得られた意見を参考に、加賀友禅を全面に施したもの、洗濯を考慮して取り外しのできるフードに施したものを試作しました。また、「おくるみ」を子供が大きくなった時に使えるようにケープやポンチョにリメイクしました(図2)。

 今後、商品化に向けて、販売用の包装パッケージのデザイン指導などを支援していきます。


図1 染色家の個性を生かした
ワンポイントの加賀友禅「おくるみ」

図2 加賀友禅を全面に施した「おくるみ」(左)
取り外しできるフードの「おくるみ」(中)
リメイクした「ケープ」(右)

 

担当:繊維生活部 杉浦由季恵(すぎうら ゆきえ)

専門:テキスタイルデザイン

一言:石川らしいモノづくりを行っています。