豆腐製造廃棄物の有効利用技術の開発  ―食品廃棄物ゼロの循環型システムの構築を目指して―

 豆腐製造の際に排出される大豆ホエー(圧搾豆腐の絞り汁)やオカラは、その一部が食用、飼料などに利用されていますが、腐敗しやすいことから大半は産業廃棄物として処理されており、有効利用法の開発が求められています。

 そこで、工業試験場では、羽二重豆腐(株)、メルシャン(株)、(株)スギヨ、石川県立大学、石川県農業総合研究センター、石川県畜産総合センターと共同で大豆ホエーとオカラを乳酸発酵することにより、新規食材・飼料への活用に取り組みました (経済産業省:戦略的基盤技術高度化支援事業)。

 本事業では、まず大豆ホエーを濃縮し、これに乳酸菌を加え酸性化することにより、保存性を向上できました。また、このような機能性を付与した発酵大豆ホエーの製造および発酵大豆ホエーとオカラの混合発酵物の製造方法を確立し、生産システムを設計・構築しました。併せて、これらの発酵物を用いて、下図に示す食品や新規養魚用飼料等への用途開発を試みました。

 今後は、発酵物の量産及び安定供給体制を構築し、試作食品(大豆加工品や漬け物等)の嗜好性の向上、試作飼料の安全性確認等を行っていきます。


参画企業による用途開発事例

 

担当:化学食品部 武春美(たけ はるみ)

専門:食品化学

一言:食品廃棄物の有効利用をご支援いたします。