橋桁の組立・溶接装置を開発  ―大型部材の形状・寸法自動計測技術を支援―

 鋼製の橋桁は、橋脚上に渡され、梁(はり)として橋を支える役割を担っています。この橋桁は、鋼板を箱型や I 型に組み立てた大型部材を連結し、一本の橋桁にします(図1)。一辺が数m以上で重量が15トン以上の大型部材は、熟練者がクレーンや専用治具により鋼板位置を微調整して製造します。

 (株)北都鉄工(白山市)は、現在、製造効率と安全性の向上のために橋桁大型部材の自動組立・溶接装置の開発に国内で初めて取り組んでいます(図2)。組立工程では、橋桁の定められた精度を保ちながら鋼板を固定することが重要です。そこで、工業試験場では、部材の形状・寸法を複数のレーザ変位計を用いて、低コストな自動計測手法を提案しました。また、3次元測定機やレーザ変位計を用いて、必要とされる精度が得られることを確認しました。今後も共同で本装置の改良と実用化を進めていきます。

 レーザ変位計に限らず各種のセンサ技術に興味がある方は、ぜひご連絡ください。


図1 橋桁と箱型部材


図2 橋桁の組立・溶接装置の概観

 

担当:電子情報部 笠原竹博(かさはら たけひろ)

専門:画像処理、システム最適化

一言:装置開発の際、センサを用いたシステムの改良や最適化についてお気軽にご相談ください。