高品質鋳造技術の開発を支援  ―鋳造品の販路拡大を目指して―

 鋳造技術は、川下のユーザ企業が要望する部材の薄肉・複雑形状化への対応や、エネルギーコストや高リサイクル材の使用といった環境意識の変化から、新しい製造プロセスの開発が求められています。

 一方、生産のグローバル化が進む中、鋳造業では、コストダウンのための生産活動の見直しだけでなく、IT技術を用いたCAD/CAE技術の導入など様々な側面から高度化を進めていく必要があります。

 工業試験場では、谷田合金(株)(金沢市)への技術支援として、平成21年1月より、アルミニウム鋳造品で不可避のピンホール欠陥を抑制するため、加圧環境下で砂型鋳物を凝固させる鋳造技術の開発に取り組んでおります。

 これまで、高感度X線CT装置を用いて微小欠陥の評価と鋳造CAEによる解析を行った結果、欠陥発生のメカニズムとそれを抑制できる鋳造条件を把握することができました。本技術の確立により、複雑形状化への対応による部品設計の自由度拡大に加えて、これまで切削加工で作られていた部品の鋳物化が可能となり、鋳造品の適用範囲の拡大が期待できます。

 工業試験場では、このような機器による評価技術やシミュレーション解析を通じて県内企業の製造技術支援を行っています。ご興味ある方はぜひご相談ください。


新鋳造プロセス技術の開発支援

 

担当:機械金属部 藤井 要(ふじい かなめ)

専門:金属工学、鋳造工学

一言:素形材産業を通して県内製造業を支援します。