小型高出力半導体レーザの開発  ―水冷装置不要で、メンテナンスフリー化を実現―

 工業試験場では、電子産業や医療機器産業向けの精密レーザ溶接技術の開発を進めています。特に、安価な半導体レーザを用いることによってレーザ溶接の低コスト化に取り組んでいます。

 しかしながら、従来の半導体レーザ装置(ヘッド)は、冷却水の水詰まりが原因で故障するという問題を抱えています。そこで、電子冷却方式の小型高出力半導体レーザ装置の開発(石川県産業創出支援機構研究開発補助事業)に、(株)村谷機械製作所(金沢市)と共同で取り組みました。レーザ素子からの放熱方法を工夫することで最大100Wのレーザ光を安定して出力できました。この結果、開発した半導体レーザ装置は水冷装置を必要とせず、メンテナンスフリーで長期間使用できます。

 現在、(株)ベローズ久世(津幡町)の協力を得て精密溶接機への応用を進めています。開発中の溶接機では、レーザ装置を斜めに二台配置しております(特許申請中)。この構造によりベローズ管(配管部品)の製造に必要な内・外周溶接を一台の機械で行うことが可能です。

 この他にも、異種金属や極細ワイヤの溶接、超硬ロウ付け、樹脂溶着など様々な用途開発を進めています。ご興味・ご関心のある方は、お気軽にご連絡下さい。

 


小型高出力半導体レーザと精密溶接機

 

担当:機械金属部 舟田義則(ふなだ よしのり)

専門:レーザ加工、精密測定

一言:とても使い易いレーザ装置です。一度、使って見て下さい。