超音波技術を用いた製品開発  ―超音波の力を利用して物を動かす―

 超音波を用いた製品としては、魚群探知機や超音波探傷機が有名ですが、近年、様々な分野での応用が検討されており、家電製品などの身近な製品に使用されるようになってきました。特に最近は、超音波が発生する運動エネルギーを利用した技術が注目を浴びています。超音波は、振動の共振現象を利用して、効率的に大きな運動エネルギーを発生させることができるため、加工や位置決め装置などのアクチュエータとして利用することができます。超音波アクチュエータは、小型化や薄型化が容易であることから、電磁モータに代わる新たな駆動源として期待されています。

 工業試験場では、超音波技術を用いた製品開発を行っており、現在はニッコー(株)と共同で位置決め装置駆動用の超音波アクチュエータを開発しています。このアクチュエータは高精度・高効率かつ低電圧で駆動できる特長を持っており、今後、実用化に向けて更なる検討を行っていく予定です。

 工業試験場では、この他に超音波を利用した液滴攪拌や超音波援用加工の研究も行っておりますので、ご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。


超音波アクチュエータ用振動子(上)とその振動モード(下)

担当:機械金属部  高野昌宏(たかのまさひろ)

専門:材料力学、振動制御

一言:超音波で技術革新。