鋳造品の生産効率化支援  -シミュレーションによるモノづくり-

溶融金属の流れと温度分布

 工業試験場では、これまで電子顕微鏡等の試験分析機器により、欠陥が発生した鋳造品を分析し、原因究明を行うことで、生産工程改善の支援を行ってきました。
  それに加え、昨年度導入した鋳造シミュレーションシステムを利用し、鋳造条件を仮定、解析することにより、鋳型内部の溶融金属の流れや凝固過程の可視化が行えます。これにより充填不良やヒケ巣等の鋳造欠陥の発生を予測し、生産工程の最適化の指針提供ができるようになりました。
  これまで、砂型、金型、ロストワックス等の様々な 鋳造プロセスにおいて、県内鋳造業9社の約20品目に関して受託解析を行いました。解析結果の主な利用目的は、鋳造条件の見直しですが、生産工程検討プロセスを取引先にプレゼンテーションする活用事例もあります。
  鋳造品におけるシミュレーション解析技術を鋳造企業の生産効率改善にぜひご活用下さい。
 なお、鋳造シミュレーションシステムは平成17年度けいりんの補助金により導入しました。


担当:機械金属部 藤井 要(ふじいかなめ)

専門:金属工学

一言:シミュレーション解析と分析技術の両方で鋳造品のモノづくりを支援します。