繊維を利用した床材の開発支援 -時代が求める新たな床材の開発提案-
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開発した繊維織物を利用したホモジニアスタイル(左下) と置き敷き床材(右上) |
最近の建築床材として、施工性やメンテナンス性の良いホモジニアスタイル(塩ビタイル)が増えつつあります。ホモジニアスタイルは、通常、塩ビ層の間に絵柄を印刷したフィルムを挟み込んで作られています。今回、工業試験場とシンコール(株)、(株)酒井商店、中川細巾織物とで開発したタイル床材は、ホモジニアスタイルが持つ特性はそのままに、透明強化層と塩ビ裏打ち層の間に絵柄の入った織物を挟み込むことで、独特の風合いや高級感あふれる仕上がりを実現しました。
一方、最近の住宅床材には、ライフスタイルの変化によってフローリング材が多用され、ホームセンターや通販で半畳タタミが販売されるようになりました。このため、シンコール(株)やテクノウイン(株)と共同で着せ替え自由な置き敷き床材を開発しました。表層には、畳ではなく弾力性や凹凸感のある布生地を利用し、インテリア性や感触の良さを追求しました。布生地は洗濯が可能で、季節に応じて着せ替えの意匠性を楽しむこともできる床材です。
なお、この開発は、(株)繊維リソースいしかわの「非衣料分野開発プロジェクト事業」の一環で実施しました。
担当:繊維生活部 藤島夕喜代(ふじしまゆきよ)
専門:分析化学
一言:高分子分析を通して、企業の皆様の製品開発や品質管理のお手伝いができればと思っております。宜しくお願いします。