2.レーザ外径測定機
2.1 レーザ外径測定機の種類
![]() 図1 レーザ外径測定器による測定 |
![]() 図2 レーザ外径測定機の測定原理 |
2.1.2 音叉振動鏡方式
この方式は,多面鏡の代わりに音叉の腕の先端に平面鏡を接合した偏光器を使用してレーザ光を走査するもので,その概略を図2(b)に示す。振動によりレーザ光を走査するため,レーザ光の走査速度は一定ではなく正弦波的に変化する。そのため,測定物のエッジ信号によって時間を計測する代わりに,音叉の振動をモニタし,それと完全に同期した正弦信号を作り,エッジ信号によってその電圧をサンプリングすることにより測定値を得る。
2.1.3 ラインセンサ方式
この方式は,図2(c)のように光源から出たレーザ光をコリメータレンズにより帯状の平行光にして測定物に照射し,レーザ光が遮られた部分の長さを直接CCDラインセンサにより読み取る。この方式の測定分解能はラインセンサの分解能によって決まるため,10mm程度であるが,装置内部にミラーの可動機構を持たないため加工現場での測定などに適している。
2.2 レーザ外径測定機の測定誤差要因
![]() 図3 レーザ外径測定機の測定値の変動 |
本研究では,測定感度の高さなどから多面鏡回転型のレーザ外径測定機を使用した。この方式の測定機における測定精度に関わる要因として,測定機の原理・構造に起因する内的要因と測定条件・環境に起因する外的要因がある3)。内的要因には多面鏡の角度誤差や回転誤差などがあり,外的要因には測定物の振動や空気の乱れなどがある。なお,測定物がレーザ光の走査方向に振動すると直接測定誤差となる。
静止状態の測定物の外径をレーザ外径測定機により測定し,平均値に対する測定値の変動を調べた結果を図3に示す。同図(a)は回転反射鏡1面毎の測定値であるが,多面鏡の角度誤差によると思われる8点毎の周期的な変動がみられる。このデータの分解能は0.08mmである.この生データを8個ずつ移動平均し,0.01mmの分解能で表示した結果が同図(b)である。平均化処理により,測定誤差が±0.1mm以内に収まり,安定した測定が行われることがわかる。通常のレーザ外径
(a) 回転反射鏡1面毎の測定値 (b) 8個のデータの平均値 図3 レーザ外径測定機の測定値の変動 測定機はこの平均値を表示している。
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