イオンビームを用いた材料表面改質研究の取り組み

■機械金属部 安井治之

研究の背景
 近年,日本全国で地域の特色を出した研究が立ち上がっている。我が石川県においては,地方公設試験研究期間の中でもいち早く最先端の「イオン注入技術」に着目し,今日まで研究を継続してきた。今年に入ってから,これまでの研究の歴史を振り返る機会があり,図1に示すようなポスターを作製した。これは,「石川県工業試験場におけるコーティング技術研究の歩み」と題し,地場で開催された展示会に出展したものである。当場は,1983年に県内企業の要望から化学蒸着(CVD)法により,地場産業である「繊維産業」の織機部品へTiN・TiCN膜をコーティングしたのが始まりである。その後,次世代の研究として物理蒸着(PVD)法によるダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜の研究を始めた。本稿では,石川県でのDLC膜研究を中心に紹介する。


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