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共鳴核反応分析法によるBCN膜の水素量測定
安井治之・広瀬幸雄・佐々木敏彦・粟津薫・楢本洋 |
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近年,イオンビームを照射して材料表面に優れた機能をもつ膜をコーティングする技術が注目されている。その中でも,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜は,硬さや摩擦係数などの機械的性質が優れているため,工具や金型を中心に切れ刃などの民生品へ実用化が進んでいるが,基板等との密着性は必ずしも十分ではない。そのため,工具や金型への利用は限定的であり,産業界ではさらなる特性の膜が期待されている。そこで,従来のDLC膜よりも優れたB,
C, Nの三元素からなる炭窒化ホウ素(BCN)膜の成膜を検討している。
このBCN膜は,DLC膜と同様にB,C, Nの終端が水素と結合するため,硬さ等の機械的性質が変化することが予測される。そのため,膜中に存在する水素の含有量を非破壊で定量的に測定することが必要になる。しかし,水素原子は内殻電子を持たないため,通常の内殻励起後の放出X線を検出する表面分析法が適用できない。そこで,高エネルギーイオンビームを利用した共鳴核反応分析(RNRA)法を利用して,BCN膜中の水素量の定量比較を検討した。また,測定したBCN膜中の水素量と硬さの関係についても検討した。
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