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Design Development of the Tableware for the School
Lunch Made of PET Resin Masahito SHIHO and Noritaka KAJII |
Yamanaka lacquerware cooperative society was wrestling
with the idea to develop the tableware for the school lunch made of PET resin
which contained no endocrine disruptor and was possible to be used in the microwave
oven and the tableware dish washer. We have supported this development by using
the latest facilities such as the 3D CG (Computer Graphics) system and the stereolithography
system. As the result, (1)By using the CG system we could do the shape design while considering situation,capacity,weight and the stacking of the tableware. (2)By using the RP system we could manufacture the real model for trial quickly and could also examine the shape design. (3)The development period was substantially reduced and eight kinds of different tableware were developed as the original product. Key Words:PET resin, tableware, design, CG, stereolithography system |
2.1 開発プロジェクトの体制
プロジェクトでの役割分担は次のとおりである。 産地企業:製品試作及び評価,商品化 県外材料メーカー:PET樹脂材料の開発及び評価 県外塗料メーカー:PET樹脂用塗料の開発及び評価 県外インクメーカー:スクリーン印刷蒔絵用インクの開発及び評価 工業試験場:デザイン開発指導 工業試験場が担当したデザイン開発指導では,次の項目について技術支援を行った。 (1) 学校給食の現場調査 (2) 開発の方向性の検討 (3) 三次元CGシステムによるデザイン開発 (4) 光造形機による試作加工 (5) 色彩,文様の展開 (6) 自動食器洗浄機対応型汁碗の開発 次節より,それぞれの項目について説明する。 |
(1) | 現状の使用食器について 次の4種類の食器を使用。 飯椀:直径128mm,高さ52mm 汁椀:直径137mm,高さ55mm 平皿:直径160mm,高さ29mm 深皿:直径166mm,高さ40mm 食器の色はすべて白系であり,文様は野菜や花,動物のイラスト調のものが多かった。 |
![]() 図2 学校給食の流れ |
(2) | 食器の組み合わせについて ご飯給食の場合:飯椀,汁椀,深皿 パン給食の場合:平皿,汁椀,深皿 |
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(3) | 汁分量の目安について 低学年:180ml,中学年:200ml,高学年:220ml |
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(4) | 学校給食の流れについて 図2のとおり。 |
2.4 三次元CGシステムによるデザイン開発
またCGを用いることによって,デザインした食器の容積,重量を数値化して求めることが可能なため,その数値を参考にしながら寸法や肉厚の修正を行い,デザイン案を決定していった。特に飯椀,汁椀の容積や,食器の強度(肉厚)と重さの関係について,計算値を参考にして合理的にデザイン開発を行うことができた。図4にCGでの容積,重量計算の様子を示す。 さらに食器のスタッキング性についても,CGで確認を行った。食器を積み重ねた時の,食器間の干渉の様子や,1クラス分の食器の総高さ寸法を確認しながら,デザイン開発を進めていった。図5にCG上でスタッキングの検討を行っている画面を示す。 このようにCGを用いることによって,食器の使用状況,容積,重量,スタッキング性について確認しながらデザインを進めることができた。結果として,14点のデザイン案を作成した。
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図6 モデルによる持ちやすさの検討 |
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図7 モデルによるデザインの打ち合わせ |
(1) | 糸底部分の水切り用溝の形状について |
(2) | 食器の持ちやすさについて(図6) |
(3) | スタッキング性について |
(4) | 食器の肉厚について |
(5) | 給食汁量に対する汁椀の余裕について |
2.6 色彩・文様の展開 形状デザインの決定を受けて,食器の色彩・文様について検討を行った。工業試験場からCGによるデザイン案を提案する一方で,外部専門家(グラフィックデザイナー)がプロジェクトに参加し,商品カタログも含めた,全体の色彩・文様計画を立案した。図8に椀の色彩・文様の展開例を示す。 またこの計画に基づき,産地企業で塗装,スクリーン印刷蒔絵加工を施した試作製品(図9)を作製し,デザインの検討を行った3)。 |
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図10 大型自動食器洗浄機 (回転ローラー部分) |
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図11 汁椀の光造形モデル |
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図12 スタッキングの確認画面 | 図13 金沢市で採用された汁椀 |
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図14 給食用食器のカタログ |
1) | 横浜市学校給食用食器調査委員会編:横浜市学校給食用食器調査委員会報告書,1999 |
2) | 学校給食ニュース事務局編:学校給食ニュース,1999 |
3) | 志甫雅人,高橋哲郎:コンピュータを利用した漆器のデザイン開発技術の指導,石川県工業試験場研究報告,No.45,p.101-108(1996) |
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