|
||||||
![]() | ||||||
|
||||||
![]() |
Development of Electromagnetic Shielding Material −Electromagnetic Shielding Effect of Carbon Fiber Textiles− Kazuo YAMANA, Kaduichi KITAGAWA, Yoshiyuki YOSHIMURA and Kentaro OHHASHI |
In order to get rid of the error in moving OA apparatuses
and to maintain the electromagnetic compatibility in apparatuses such as portable
telephone and wireless LAN, the electromagnetic shielding in buildings is in great
demand. The electromagnetic shielding effect (SE), which occurs mainly due to
the conductivity function in the carbon fiber textiles, was studied in this work.
The following results were obtained. (1) In comparision with several kinds of textiles, the PAN 12K showed the better SE. (2) The SE on carbon fiber textiles gave either equal or more than that of wire nets such as stainless, copper and so on. (3) The SE gradually increases with increasing thickness in textiles which follows to the pile-up textiles, and especially the SE in the frequency region between 500 and 700 MHz increased about twofold by putting a slate board (3 mm in thickness) between both carbon fiber textiles. Key Words:Electromagnetic shielding material, Carbon fiber textile |
表1 電磁波シールドビルの性能別分類 | ||||||||||||
|
表2 炭素繊維織物の特性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
3.1 炭素繊維織物のシールド効果の比較 PAN3K, PAN6K, PAN12K, PIT系の4種類を用いて炭素繊維織物を試作し,アドバンテスト法で評価した。その電界波及び磁界波に対する結果を各々図1及び図2に示す。1MHzから300MHzの測定範囲において,40dB以上のシールド効果が得られた。300MHz以上においては徐々に減少し,1GHzにおいて20dBまで減少した。最大値は30〜100MHzで最も大きな値,50〜60dBの減衰を示した。織物素材の間では大きな違いを見い出せないが,PAN12Kが最もシールド性能に優れていた。 磁界波については,10MHzから徐々に上昇し,300〜700MHzで最大で35〜40dBを示した。それより周波数の高い領域では急激に減少し,10〜20dB程度まで下がった。電界波と同様に織物素材の間には大きな違いを見い出せないが,PAN12Kが最もシールド性能に優れていた。これらの電界波及び磁界波とともにシールド効果は炭素繊維織物の導電性に強く影響を受けていると推定される。 |
|
![]() 図1 炭素繊維織物のシールド効果の比較 (電界波測定) |
![]() 図2 炭素繊維織物のシールド効果の比較 (磁界波測定) |
3.2 炭素繊維織物と金属網との比較 炭素繊維織物は電界波測定においては、アルミ箔より劣るが(図3),その他のステンレス網、真鍮網、銅網と同等もしくはそれ以上のシールド効果を示した。磁界波については,徐々に増加し,400〜600MHzで30〜50dBのシールド効果を示した。それより高周波領域では減少した。炭素繊維織物は軽量,高強度且つ金属網と同等もしくはそれ以上のシールド性能を示すことを確認した。 |
![]() 図3 金属網とのシールド効果 (電界波測定) |
3.3 炭素繊維織物の厚み効果 炭素繊維織物の重ね合わせによる厚み効果のシールド性能を評価した(図4)。その結果,厚みを増すとわずかながらシールド性能が上昇した。とりわけ炭素繊維織物の間にスレート(3mm厚)を挟み込むと500〜700dBの周波数帯において,シールド性能として約2倍になる部分を見出した。そのデータ解析については今後の課題である。 |
![]() 図4 炭素繊維織物の重ね合わせの シールド効果の比較(電界波測定) |
表3 放電加工機電磁波シールド材で用いられる 評価法による炭素繊維織物(3K及び6K)の 減衰値比較表 |
|||||||||||||||
|
3.6 高周波領域での電磁波シールド材及び電波吸収体
(1)カーボン含有発砲体 (2)A焼結フェライト (3)フェライト粉末(ゴムフェライト) (4)ゴムカーボン系吸収体 (5)λ/4形電波吸収体。 しかし,これらの吸収体については,反射減衰効果が小さいことや,周波数帯域が狭いこと等が利用面でネックとなっている14)。 そこで,炭素繊維織物(12K)について,電波吸収体としての機能が存在するかどうかの評価を進めた。本研究では,ネットワークアナライザによるSパラメータ法で測定した(導波管ストリップ線路法)。入射波と反射波の比で定義されたSパラメータ法による反射減衰量(S11)及び透過減衰量(S21)を求めた。 その結果、S11ではスリップ線路でのショートの基準と完全に一致しており,電波のほぼすべてが反射していることがわかる(図5)。一方,S21では40MHz〜1GHzにおいて30dBの減衰が観察され,ほぼ電波は透過していないことが観察された(図6)。以上の結果,炭素繊維織物については表層部で電波の反射がほとんど行われ,材料内部への電波の入り込みがないため,織物では電波吸収体としての効果はなく,ほぼ完全な電波反射体として働いていることがわかった。以上の結果を用いて,今後炭素繊維織物と合繊織物等との組み合わせにより(複合体),建築用電波吸収体を作ることを検討していきたい。 |
1) | 岩井喜弘:電磁波障害と対策,東洋経済新報社(1996) |
2) | 奥田謙介:炭素繊維と複合材料,共立出版(1995) |
3) | 森田健一:炭素繊維産業,近代編集(1984) |
4) | 三菱レイヨンカタログ:pyrofil |
5) | 日石三菱カタログ:グラノックTUクロス |
6) | 日本工業規格:電磁両立性,JIS C 1000-4-3,1997(IEC 61000-4-3,1995) |
7) | 西方敦博:シールド技術とシールド材,ミマツデータシステム,p.13-41(1996) |
8) | 上田直行 他:導電性ゴムの電磁波遮蔽特性について(第2報),熊本県工業技術センター研究報告No.36,p.88-93(1998) |
9) | (株)アドバンテスト:電磁波シールド効果測定,セミナーテキスト |
10) | 池田哲夫:シールド技術とシールド材,ミマツデータシステム,p.1-12(1996) |
11) | 乾 哲司:シールド技術とシールド材,ミマツデータシステム,p.73-99(1996) |
12) | 桜井 他:私信,清水建設(1999) |
13) | 森田俊人:建築におけるEMC関連材料の現状と問題,電気設備学会誌,p821-833(1994) |
14) | 上田直行 他:導電性ゴムの電磁波シールド効果について(第1報),熊本県工業技術センター研究報告,No.36,p.81-87(1997) |
|
|
|