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骨ウェーブ(骨の健康度測定器)の開発

■有限会社ライブエイド 技術担当 室石 和宏

■技術開発の背景
 当社((有)ライブエイド)は健康関連機器を開発・製造している。骨ウェーブ(平成19年より販売)は超音波を利用して人の骨の健康度を測定する装置であるが,今回,装置のコストダウンを目的に新たに超音波処理基板を開発した。

■技術開発の内容
  コストダウンを図るために1枚の基板に全ての機能を収めることにした。しかし,本基板では,数百ボルトの高電圧パルスを数百ナノ秒の精度で制御する必要があり,また,人体を透過する超音波の微小信号波形を百ナノ秒の精度で捉えることが要求される。これらの機能を1枚の基板で実現するにはノイズ対策等の課題があった。
  そこで,工業試験場のプリント基板CAD/CAEシステムを用いて事前に超音波生成回路をシミュレーションで検証した。さらに,基板のアートワーク作業では,高圧パルスのノイズを押さえ込むよう細心の注意を払うことで,1枚の基板で必要な機能を実現することができた。
  また,従来の基板で使用したマイコンでは,ソフトウェアの実行に時間がかかるため制御に遅れが生じる。このため,マイコンを超音波生成回路の制御・受信波形の測定に使用することは困難であると考え,制御部にFPGAを採用した。FPGAは並列動作が可能であり,信号を高速に制御できる。工業試験場の指導の下,USBコントローラチップと組み合わせることでWindows PCとのUSB通信も実現できた。

(図1 完成した基板とブロック図)

■製品の特徴
  完成した超音波処理基板は骨ウェーブに組み込まれて販売され,ドラッグストアの測定コーナー等にも設置されている。骨ウェーブは,タッチパネルの簡単な操作で腕を測定することにより,骨の健康度を気軽に測定することができる。

(図2 骨ウェーブ)

■今後の展開
  これらの電子基板作成のアナログ回路・ディジタル回路の技術を,生体インピーダンス測定装置の開発などに応用していきたいと考えている。