プレス成形用樹脂製金型製造技術の開発  ―大型プレス成形品の多品種少量生産への対応―

 バスなどの大型車輌用のプレス成形部品の製造では、車輌のモデルチェンジサイクルの短期化などから多品種少量生産への対応が重要となり、金型製造費と部品点数の削減が課題となっています。そこで、製品試作用の簡易金型の製造技術を有する(株)北日本テクノス(小松市)を中心に、日新レジン(株)(横浜市)、ジェイ・バス(株)(小松市)、金沢工業大学、工業試験場による共同研究で、大型プレス部品の多品種少量生産に適する高強度で耐久性に優れた樹脂製金型製造技術の開発を行いました(経済産業省:戦略的基盤技術高度化支援事業)。

 開発した金型製造技術では、金型形状がマスターモデルから樹脂材料に転写されるので、切削加工が不要となり、短期間での製造を可能とします。型構造は、コア材と耐摩耗性に優れた表面材樹脂で構成されており(図1)、連続プレス試験では、従来の試作用金型に比べて加工数が飛躍的に向上し、生産用の金型として十分な耐久性を確認しました。また、従来10〜15点から構成される部品を一体成形する技術を開発し、この樹脂製金型を使用して一枚の金属板で成形できることを実証しました(図2)。

 今後は、事業化に向け、さらなる品質向上、安定化を図りたいと考えています。


図1 樹脂製金型の構造


図2 バス部品の一体成形例

 

担当:機械金属部 多加充彦(たか みつひこ)

専門:構造設計、塑性加工

一言:新製造技術、製品開発を支援します。