端子差込み型自動配線装置を開発  ―画像処理を用いた装置の信頼性向上―

 工業試験場とライオンパワー(株)(小松市)は、共同で制御盤自動配線装置の開発を進めています。制御盤には端子をネジ締め結線するものと、差込み結線するものがあります。本年度は、鉄道の信号等に用いられる端子差込み型の制御盤自動配線装置の実用化を進めました。

 この開発において、工業試験場では画像処理技術を用い、ロボットハンドの端子把持確認機能を開発しました。ハンド先端のクランプによる端子の把持が適正でない場合、その後の差込み結線に不具合を生じるため、把持状態を事前に確認する必要があります。そこで、端子の位置とロボットハンド先端の左右クランプの位置を検出して、これら3点の距離から把持が適正に行えたかを確認できるようにしました(図1)。これにより、端子差込み結線の信頼性を向上しました。

 1月に東京都で開催されたエレクトロニクス製造技術展(インターネプコンジャパン)に開発した装置を出展しました(図2)。今後は、工作機械用制御盤のネジ締め結線型自動配線装置を実用化します。

 工業試験場では、このように画像処理や最適化技術を用いて県内企業の技術開発の支援を行っています。ご興味のある方はぜひご相談ください。


図1 把持状態の検査
 
図2 出展した開発装置

 

 

 

担当:電子情報部 笠原竹博(かさはら たけひろ)

専門:画像処理、システム最適化

一言:画像処理技術についてご相談ください。