疲労強度試験  ―大型実製品の耐久性評価が可能に―

 繰り返し負荷を受ける金属やプラスチックの製品では、ほとんど変形を生じないような小さな力であっても、長い年月の使用により、破壊することがあります。これを疲労破壊といいます。1985年の日航ジャンボ機の圧力隔壁の破損や大型トレーラーのハブの破損は金属の疲労が原因とされているように、疲労破壊は人命にかかわることもあり、企業の大きな損害につながる場合があります。そのため、機械・構造物の信頼性・安全性を高めるには、疲労強度を考慮した設計が重要です。

 工業試験場では、H20年度に疲労強度測定装置(図参照)を更新しました。

 本装置の特長としては、(1)最大300kNの繰返し荷重を負荷できること、(2)広い試験空間(675×1,250×1,550mm)を有していることが挙げられます。そのため、治具取付スペースが確保され、複雑な形状の製品や機械部品を実物で設置できます。このため、試験片では予測不可能であった、精度の高い、実物での疲労強度評価を行うことができます。この他には、き裂の進展速度の測定や材料の破壊抵抗である破壊じん性値、ゴムの動特性値等の力学的評価も行うことが可能です。

 疲労強度試験のご利用について、ぜひご相談ください。


疲労強度測定装置

 

担当:機械金属部 吉田勇太(よしだ ゆうた)

専門:熱工学

一言:製品の安全性・信頼性評価のため、疲労試験は重要です。