制御盤自動配線装置の開発支援  ―画像処理を用いた部品位置検出機能の開発―

 ライオンパワー(株)(小松市)は、電気制御盤内でのハーネスの配線と結線を自動化する装置を開発しており、本装置により、制御盤製造の信頼性向上と効率化が期待されています。工業試験場は、この開発の中で、電気部品のネジ位置と配線用ダクトの穴位置を画像処理技術によって検出する機能の開発を担当しています。これらの機能は、ハーネスを電気部品に結線する際にドライバーをネジ位置に合わせたり、ハーネスをダクト内に引き回す際にダクト穴に通したりするために必要となっています。ネジ位置の検出では、検出精度±0.1mmの目標を達成するため、高倍率のCCDカメラを採用しました。しかし、低倍率カメラと比較するとカメラの視野が狭くなるために、同じ大きさの制御盤内でもネジを探し出すのに時間がかかってしまいます。そこで、制御盤のCADデータと制御盤特有の部品(DINレールなど)の位置をもとに探索空間を絞り込むことで、ネジ位置の検出回数を1/6に減らす方法を確立しました。

 工業試験場では、このような画像処理や最適化技術を用いて県内企業の技術開発支援を行っています。ご興味のある方はぜひご相談ください。


図1 試作中の自動配線装置

図2 電気部品とネジ位置

図3 配線用ダクトとダクト穴位置
図中の+が検出位置

 

担当:電子情報部 笠原竹博(かさはらたけひろ)

専門:画像処理、システム最適化

一言:画像処理を用いた装置開発などはご相談ください。