顕微FTIRイメージング装置の利用  ―微小有機物の分析を目指して―

 精密な製品を製造する場合に、小さな異物や付着物が動作不良を引き起こしたり、クレームの対象となるなどの問題が発生しています。特に異物がプラスチックなどの有機物の場合、微小試料の分析は難しく、原因解明までたどりつけないことがありました。

 そこで微小試料の分析のために、平成18年度電源地域新事業支援施設等整備費補助事業により、顕微FTIRイメージング装置(3100FT-IR/600UMA:バリアン製)を導入しました。従来の赤外分光計は通常試料用と微小試料用各1個ずつ計2個の検出器を用いていましたが、この装置はそれに加えて1024(=32x32)個の検出器を正方形に配置した高速2次元アレイ検出器を備えています。これを用いると試料の赤外イメージを測定することができ、微小な試料の分析に威力を発揮します。3種類の異物が混じった試料を本装置で分析した結果(可視画像と赤外画像)からは、3μmのシリカ粒子の分布まで解析できていることが分かります。

 有機物分析でお困りの方は、ぜひご相談ください。


試料の解析結果(可視画像と赤外画像)

担当:繊維生活部 江頭俊郎(えがしらとしろう)

専門:高分子化学、漆化学

一言:特産高分子担当です。伝統産業、プラスチック製造業を中心に、電子機器、食品など何でもご相談承ります。