炭素繊維複合材料部品の開発  ―高強度・軽量性を活かした織機用部品の試作開発―

CFRP製オサ保持部品の装着例

 県内繊維産業では、衣料分野だけでなく産業資材分野における新商品開発が必要とされています。特にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)分野に着目すると、日本メーカの糸としての炭素繊維の世界シェアは70%以上を占めているにもかかわらず、日本では欧米に比べて炭素繊維の製品開発が遅れており、CFRPは急成長が見込める分野です。また、CFRPは軽量かつ強度に優れるため、今後、輸送機器や高速生産機械等への用途展開が期待されています。

  そこで工業試験場では、平成17年度に(株)繊維リソースいしかわの「非衣料分野新商品開発事業」の一環として、津田駒工業(株)、創和テキスタイル(株)、ワイエムポリマックス(有)と連携し、織機の耐久性向上や軽量化(高速化)等を図るため、CFRP製部品の試作開発に取り組んできました。具体的には、織機のオサ打ち機構に注目し、CFRP製オサ保持部品の試作を行ったところ、従来のアルミ製と比較して半分以下の重量にすることができました。現在、これを当場のエアジェットルーム(津田駒工業(株)製ZAX170)に装着し、実機試験を継続しております。

担当:繊維生活部 森 大介(もりだいすけ)

専門:撚糸、織布、繊維機械

一言:繊維の応用分野は多岐にわたっています。