構造物の健全性計測技術の研究  -機器の損傷状態をモニタリングする-

健全性計測技術の概念
健全性計測技術の概念

 機械構造物の破損事故は、社会的・経済的な損害を与えるだけでなく、人命にもかかわる危険性があることから、高い信頼性と安全性が要求されています。更に、劣化や損傷プロセスが複雑なケースや実働荷重が不確かな環境で使用されるケースが多々あることから、これらの構造物を安全かつ合理的に使用する方法として、近年、健全性計測技術(ヘルスモニタリング技術)が注目されています。この技術は機器の状態変化(損傷など)をリアルタイムでモニタリングすることにより、事故を未然に防ぐことを目的としています。また、メンテナンスコストの削減や設計・製造への早期フィードバックもメリットとして挙げられます。
  工業試験場では、昨年度から機械構造物を対象とした健全性計測技術の開発を行っています。本技術では、システムに学習データを持たせることで、構造物の損傷状態を精度よく、かつ少ないセンサで計測することを目的に,開発を進めています。今後は実機を用いて、本手法の妥当性を検討していく予定です。

担当:機械金属部 高野昌宏(たかのまさひろ)

専門:材料力学、振動制御

一言:企業の皆様の良きパートナーとしてお役に立てるよう頑張ります。