繊維・高分子試験の高度化

プリント布地製品の染色状態
   プリント布地製品の染色状態
 工業試験場では、これまでに繊維・高分子の製品評価試験や欠点製品の解析において、走査型電子顕微鏡や光学顕微鏡などによる表面解析、赤外分光光度計やX線分析による成分分析、引っ張り試験機や熱分析等による製品物性等の測定を行ってきました。しかし、近年の品質管理基準の高水準化やクレーム等の内容が複雑かつ分析部分が微小になり、解析の困難なものが多くなってきました。
 このため、昨年測定試料を作るための機器としてミクロトームを導入しました。この機器は、測定試料を光学や電子顕微鏡及び赤外分光光度計等で精密に観察するための薄片試料を作成する装置で、試料の断面方向の観察や局所部分の分析が可能となります。
  その利用事例として、
・プリント布地製品表面での染着状態
・高強度繊維織物の断面観察
・プラスチック製品の深さ方向の分析
・プラスチックを用いた電子部品の接合状態
などがあります。
  今後も各種製品評価や欠点解析等の試料準備に利用していきたいと考えております。


担当:繊維生活部 木水 貢(きみずみつぐ)

専門:繊維材料、繊維物性

一言:新しい発想を実現するために、センター機器をご利用下さい。