廃水処理技術の開発
〜廃水中に含まれる希薄有機成分の分解に効果〜


 廃水溶液中の希薄な有機物質が社会的問題を起こし、これを分解処理することが求められています。近年、安価な大量処理手法として二酸化チタンを用いる方法や、高圧水流時に発生するキャビテーションを利用する方法が提案されていますが、現在のところ実用化には至っていません。  
  工業試験場と明和工業(株)(金沢市)は、二酸化チタン粒子と高圧水流(150kgf/cm2)を組み合わせ、二酸化チタンの触媒効果とキャビテーションの反応領域拡大効果により、水溶液中に含まれる希薄有機物質を分解する技術を開発しました。
  本技術を用い、有機物質の一種である試薬(メチレンブルー)の水溶液100Lを処理した結果、2時間で完全に分解することを実証しました。
  工業試験場と同社は、本技術およびそれを用いた装置に関し共同で特許出願しました。現在、本装置を用いて種籾の消毒後に発生した農薬廃水の分解実験をおこなっており、本技術の有効性を確認後、実際のフィールド試験を行う予定です。

試作した処理システムの概略図



担 当 化学食品部 中村静夫(なかむらしずお)
専 門 化学工学
一 言 安全、安心、健康な社会作りに向けた技術開発に努力します。



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