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鉄鋼材料の硬さ測定は、図1のように通常ロックウェル硬さ計、ビッカース硬さ計で行われます。しかし、薄いパイプ材等では、切断採取の必要な場合があり、圧子により材料を傷つけるといった欠点もあります。 これに対し工業試験場では、X線を利用し、硬さを非破壊で測定する方法について検討しています。これはレントゲンのようなX線透過法ではなく、物体から跳ね返ってくるX線の拡がり(半価幅)を利用します。 まず、軸受鋼(JIS-SUJ2)の硬さ基準片の半価幅を測定し、硬さと半価幅の関係(検量線)を求めました。図2のようにHRC50を境とした折れ線で近似される特有の関係が得られました。この図中には、焼戻し温度が異なる軸受鋼の半価幅と硬さの測定結果も△印にプロットしました。図より検量線上に非常によく一致することがわかります。 今後もX線による硬さ測定の妥当性について検討していく予定です。 |
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図1 ロックウェル硬さ計とX線による硬さ評価 | 図2 ロックウェル硬さとX線半価幅との関係 |
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担 当 | : | 機械金属部 鷹合滋樹(たかごうしげき) |
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専 門 | : | X線解析、材料強度 |
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一 言 | : | 工業製品の非破壊検査方法の確立を目指します。 |
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