道路補修用繊維シートの開発
〜アスファルトのひび割れやわだちぼれの発生を防ぐ〜


 近年、県内繊維産業は中国をはじめとする東南アジア諸国の追い上げにより、衣料分野だけでなく産業資材分野における新商品開発が必要とされています。また、土木分野では道路、橋梁、及びトンネルなどのメンテナンス費用は増加の一途をたどっており、低価格で効果的な補修・補強工法の開発が切望されています。
  工業試験場は、平成16年度に(株)繊維リソースいしかわの「非衣料分野新商品開発事業」の一環として、石川県土木部道路整備課や県内の繊維・土木企業(創和テキスタイル(株)、北川ヒューテック(株)、真柄建設(株))とも連携し、アスファルト道路の補修・補強に用いる繊維シートの開発を行いました。具体的には、アラミドや高強度ビニロン糸を使用し、熱融着及びカラミ織手法を用いることにより、たてよこ糸が15〜20mmの格子形状を保持しています。この繊維シートをアスファルト層に混入することにより、新設又は古くなった道路を従来手法と比較して低価格で補修・補強をすることができます。
  現在、金沢市の北袋と小松市の岩淵の2箇所で、合計1,200m2の試験施工を実施し、その評価試験を継続しています。

繊維シートを用いた道路の補修・補強工事



担 当 繊維生活部 森 大介(もりだいすけ)
専 門 撚糸、織布、繊維機械
一 言 繊維の応用分野は多岐にわたっています。



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