ろくろ成形用白磁坏土の開発
〜高品質で高付加価値のある商品に期待〜


 現在、九谷焼のろくろ成形用坏土は、地元で産出する花坂陶石の水簸物(すいひぶつ)に木節(きぶし)、蛙目(がいろめ)粘土を添加し調整されています。しかし花坂陶石の水簸物には鉄が多く、木節、蛙目粘土には鉄、チタンが多く含まれているため、還元焼成するとねずみ色がかった素地になります。
  業界ではこの焼成色を白くし、ろくろ成形による手作りならではの様々な加工を施すことにより、高品質で付加価値の高い商品を作ろうという強い要望がありました。
  工業試験場では、坏土の基本的性質である鉱物組成、化学組成、粒度、成形性、焼成色、耐火度の関連性を解決し、今までにない高品質で高付加価値のろくろ成形用白磁坏土の開発を行ってきました。
  約40種類の坏土を試作した結果、従来よりも白色度が格段に向上し、手作りによる様々な成形に対応できる坏土が完成しました。試作品は、石川県九谷窯元工業協同組合、加賀市九谷陶磁器協同組合の皆様の御協力によりろくろ成形による小皿やお椀、型打ち成形による鉢、型起し成形による置物などを成形することができました。
  現在、各製土所で量産化を行い、実用化に向けて取り組んでいるところです。

試作品



担 当 九谷焼技術センター 佐々木直哉(ささきなおや)
専 門 地球科学 陶磁器
一 言 九谷焼の技術支援のため日々努力しています。



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