超音波アクチュエータの開発
−微細加工機用精密位置決め装置の試作開発−

 近年、電子・情報産業の急速な発展に伴い、精密部品の更なる微細化、高集積化が求められています。そのため、ナノレベルでの検査・加工技術に対応する超精密位置決め用のアクチュエータ開発への期待が高まっています。
 工業試験場では、微細加工機の超精密位置決めを対象としたリニアアクチュエータの開発を行っています。このアクチュエータは、圧電素子により超音波領域の楕円振動を励起させる原理を利用しています。その楕円振動を精密ステージに接触させることで一定方向に摩擦駆動させることができ、さらにこの楕円振動を効率よく励起させるために、独自のアクチュエータ機構を採用しました。また、有限要素解析により、アクチュエータ形状の最適設計を行い、微細加工機用Z軸ステージを試作しました。性能試験では、最大50mm/secの速度でステージが移動することを確認しました。
 この超音波アクチュエータは真空や磁性を嫌う環境への対応が可能であり、さまざまな用途への応用が期待できます。工業試験場では、この超音波技術を活かした製品の実用化を目指しています。ご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。


超音波アクチュエータ(左)と
それを搭載したZ軸ステージの外観写真(右)


担 当 機械金属部 高野昌宏 (たかのまさひろ)
専 門 材料力学、振動制御
一 言 超音波技術を活かした製品開発を目指します。



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