九谷焼陶板モニュメントの製作
〜チタン皮膜による機能性陶板〜


 九谷焼は五彩(青、黄、紺青、紫、赤)と呼ばれる上絵具で描かれた色絵が有名です。しかしながら、屋外環境下ではこの色絵が変色劣化してしまう場合がありました。九谷焼技術センターでは、屋外環境でも色絵の変化を抑えることが可能な、酸化チタン皮膜の開発を行いました。酸化チタンは非常に安定な材料であることや、皮膜形成の際に高温で焼き付けるためとても丈夫になります。
 平成15年度には、この技術が石川県九谷窯元工業協同組合により実用化されました。平成16年3月14日に都市計画道路空港軽海線の完成記念式に「勧進帳の花道」をテーマとした九谷焼モニュメントが除幕されました。モニュメントは3本の三角柱で、弁慶(高さ5m)、義経(同3.5m)、富樫(同4.5m)を象徴しており、色は歌舞伎の定式幕の黒、柿、萌黄の三色が用いられています。また土台部分は九谷五彩の陶板が使われています。いづれもチタン皮膜が施されており、実用化第1号となりました。




担当 九谷焼技術センター 高橋 宏(たかはしひろし)
専門 陶磁器
一言 九谷焼の更なるメジャー化に尽していきたいと思います。



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