案内表示の見やすさを評価
−物体輝度計測システムの試作−

 私達の身の回りには多くの色が使われています。例えば、標識、看板、印刷物など様々な配色で描かれたものを見て、私達はその情報を読み取っています。
 しかし、それらの配色が全ての人にとって必ずしも見やすい組み合わせであるとは限りません。特に、色を正確にとらえることのできない視覚障害者や高齢者にとって、「見やすさ」は重要な問題です。例えば、サインや誘導用ブロックなどの案内表示は、目的の場所へ導いてくれる大切な情報ですが、それらの配色が見やすいものでなくては、せっかく設置されていても役に立たないものになってしまいます。
 そのため、見やすい配色の選択が求められますが、現状では案内表示の見やすさを評価するための指標作りが十分進んでおらず、見やすい配色の判断が困難です。そこで、見やすさを評価する一手法として、物体輝度計測システムを試作しました。このシステムにより隣り合う2つの色の輝度を計測し、その輝度比を求めて見やすさの評価を試みています。試作したシステムは、ハンディタイプで持ち運びがしやすく、様々な場所へ出向いての計測が容易にできるので、現状の案内表示の見やすさを評価したり、開発時点での色彩評価・改善提案に活用する予定です。
試作した輝度計測システム

担 当 電子情報部 田川有河(たがわゆか)
専門 生体計測、振動解析
一言 製品は、少しの工夫で見やすく・使いやすくなる可能性を持っています。



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