電波障害を防止するため電波吸収材が盛んに開発されています。電波吸収材は電波の反射を抑制する材料で、その性能は、材料に電波を照射しこれから反射された電波の強度を測定することによって評価されます。従来は、材料に垂直方向から電波を照射して吸収性能を測定していましたが、実際には、電波は垂直方向よりもむしろ斜め方向からの入射が大半を占めます。例えば、ETC(自動料金収受システム)やDSRC(専用狭域通信)では、斜入射による電波吸収性能を測定し、規定された性能を有する吸収材でなくては採用されないため、斜入射による電波吸収性能評価に対するニーズが高まっています。
そこで、図のような電波の反射が少ない半径2mの木製アンテナ固定用ジグを製作し、電波の送受信による測定区間にソフト的なフィルタを設定することにより、入射角度が10°〜60°程度、周波数が1GHz〜18GHzまで誤差影響が少ない評価を行えるようにしました。また、電波無響室内に設置することにより外来ノイズによる影響が少ない測定が可能です。
なお、電波無響室では吸収材の性能評価のほか、各種電磁ノイズ測定、及び耐性試験が行え、県内企業の電子電気製品のモノづくりを支援しています。 |