九谷和絵具の調色DBを構築
−無鉛和絵具、耐酸和絵具各1062色をDB化−


和絵具データベース画面
 九谷焼の無鉛和絵具と耐酸和絵具の焼成色のデータベース(以後DB)を作製しました。これにより、コンピュータ上で作製したデザイン原稿をもとに迅速な近似色の検討や多色化ができ、商品開発が容易になります。
 DBの構築には、まず無鉛和絵具、耐酸和絵具とも基本の和絵具4色を6系統5段階に調合し基本色と併せ計34種の絵具を用意しました。次いで絵具厚と焼成温度をそれぞれ3段階として計306点の色見本試料を作製しました。これらの写真画像をコンピュータに取込み、一般的な表色基準に基づいて数値化した後、L*a*b*表色値とマンセル表色値で表し、ソフト的に1062色に増色しました。
 各DBは、全色一覧表示画面と、単一色について全情報項目を表示する単票画面、そして、色合(6系統)と焼成温度(3種)を選択表示する選択画面(右図)の3とおりの表示ができます。なお、耐酸和絵具DBでは760℃、790℃、820℃の温度別に測定した溶出鉛値も入力してあります。
 DBの利用にあたっては、デザイン業界で一般的に利用されているソフト(フォトショップやイラストレータ)で表示できる色見本ツールを作製し、ユーザーの使い勝手に配慮しました。(下図) 
 現在、既に商品開発に活用されはじめています。

フォトショップの色見本ツール


担 当 九谷焼技術センター 高寛明(たかひろあき)
専門 陶磁器
一言 伝統産業に情報技術の普及を支援していきます。



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