光輝性漆器を試作
−きらきら輝く新しい素材を漆器に利用−


光輝性漆器の試作例
 2種類の新しいタイプの光輝材を用いた漆器を試作しました。右図はトレイとカップを試作例です。従来の蒔絵には見られないような独特の光輝感がある製品に仕上がりました。
 光輝材の一つはモルフォテックス(帝人ファイバー(株)製)繊維です。これは、染料や顔料を使わない新しい発色原理を利用した繊維で、青、紫、緑、赤の4色があります。70〜100nm(注)の厚さのポリエステルとナイロンが積層された構造をしており、多層膜干渉という現象によって発色します。これを0.3mmの長さに切断したものを用いました。
 もう一つはメタシャイン(日本板硝子(株)製)といって、ガラスフレークに金属や金属酸化物をコーティングしたものです。ガラスのサイズや金属の種類、コーティングの厚さなどによって50種類以上もの種類があります。これも、干渉によって光輝性があり、色も豊富で金、銀の代用にも使えるものもあります。
 本年度も引き続き、光輝性漆器の試作を行う予定です。

(注)1nm (ナノメートル) は10億分の1メートル


担 当 繊維生活部 江頭俊郎(えがしらとしろう)
専門 高分子化学、分析化学
一言 「うるしを科学する」がモットー。工業試験場をお気軽にご利用下さい。



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