新しい表面分析装置を導入
― XPSでより小さいスポットで分析が可能に ―


 工業試験場では、電子機器・機械部品などの不具合解析や製品開発を支援するため、種々の固体表面の元素分析装置を設置しています。それぞれ、分析の面積や深さ、精度や検出限界などが異なるため、目的に応じて使い分けています。X線や電子線を使った主な非破壊分析装置の分析径及び深さを図に示しました。例えば、材料表面の付着物や変色原因を調べる場合には、測定深さの浅いX線光電子分光分析(XPS)やオージェ電子分光分析(AES)を用います。素材の元素分析の場合には蛍光X線分析(XRF)や電子線マイクロアナライザ(EPMA)を使います。
 12月に導入したXPSは上記特徴の他に元素の状態分析が可能です。たとえばFe(鉄)元素のみの分析でも、酸化しているかどうかが分かります。そのため、複数の金属元素から成る材料の場合にはどの元素が優先的に酸化しているかが分かります。さらに、最小分析径が30μmとこれまでより1桁以上小さい領域が測定でき、元素濃度や状態の面分布も分かるようになりました。
 不具合解析などでは、装置の特徴を考慮し分析しなければなりません。どの装置が適切かは職員がアドバイスしますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

お問合せ先 機械電子部 米澤保人(よねざわやすと)
専門 電子材料、 固体表面分析、故障解析
一言 工業試験場は利用しなければ損です。どんどんご利用下さい。


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