ETC用電磁波吸収体を共同開発


 工業試験場は、(株)一ノ宮織物(羽咋市)、小松精練(株)(根上町)、三谷産業(株)(金沢市)と共同でETC(Electronic Toll Collection)用電磁波吸収体を開発しました。
 ETCとは高速道路などにあり、無線を利用して料金所ゲートと車との通信によりノンストップで料金を自動収受するシステムのことをいいます。図のように同一ゲートの2カ所(入口第1アンテナと先方第2アンテナ)で同時に通信することがETCの特徴です。しかし、第2アンテナの電磁波が路面や先行車とゲート上部で反射するため、後続車での混信が問題となっています。そこで、炭素繊維織織物と鉄カルボニル系ゴムシート材を多層化した電磁波吸収体を開発しました。この吸収体は、ETCの通信周波数5.8GHzで99.9%の電波を吸収します。ゲート上部の下面に貼ることで、通信異常を著しく抑制することが期待できます。
 今後は、電磁波入射方向による吸収量などを詳しく分析し、材料の改良を進めることで、ETC用電磁波吸収体の実用化だけでなく、オフィス用周波数向けの電磁波吸収体の開発を目指していきます。

担 当 化学食品部 北川賀津一(きたがわかづいち)
専 門 セラミックス、燃料油
一 言 石川県産の電磁波吸収体が広く普及してほしいです。


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