ユニバーサルデザイン県庁舎の誕生


 11月25日に石川県庁舎が金沢市鞍月町に竣工し、いよいよ新春から始動します。新庁舎の設計コンセプトは「ユニバーサルデザイン」、すなわち「子どもから高齢者・障害者に至るまで県民の誰にもやさしい建築」です。
 この目標を達成するために平成12年7月から、「施工ユニバーサル検討会」を発足させ、地元大学の有識者、障害者代表、そして工業試験場と県リハビリテーションセンターの職員が一丸となり、さらには30名以上の障害者と施工業者の協力を得ながら、建築設備の検討、現物モデルの試作と検証、設計修正を重ねました。
 特徴的なものとして、(株)PFU(宇ノ気町)と共同開発した重度四肢麻痺者や視聴覚障害者でも利用できる「タッチパネル式の情報端末機」をはじめ、「多目的トイレ」、「メーカー統一スイッチ搭載エレベータ」や「車いす対応の議会演台」、さらに、誘導ブロック・手すり・音声誘導装置・触地図を組み合わせた「視覚障害者誘導システム」などがあります。
 現在、65歳以上の高齢者数は2,362万人、障害者数324万人で、その数は年々増え続けています。今回の新庁舎建設で試みた設計技術をはじめ、さまざまなユニバーサルデザイン手法を今後とも広く県内企業に普及していきたいと考えています。
情報端末機 多目的トイレ

担 当 製品科学部 高橋哲郎(たかはしてつろう)
専 門 福祉工学、ユニバーサルデザイン
一 言 誰もが安全で快適に利用できる製品・環境開発技術を企業と地域社会に広めたい。


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