屋外に九谷焼で彩りを

機能性をもった美術陶板の開発

 平成12年度より化学食品部と共同で, 表面に酸化チタン皮膜を形成した機能性陶板の研究開発を行っています。 九谷焼陶板に描かれた華麗な上絵装飾は, 左図のように酸性雨などにより屋外環境下で劣化してしまう問題がありました。
  酸化チタンの皮膜を陶板表面に形成することで, 上絵が保護され, 劣化を防止できました。 また, この皮膜を形成する上で避けられなかったグレー系の着色を, 酸化ケイ素の添加により克服することができました。 これにより九谷焼の美観を損うことのない皮膜の形成が可能となりました。 更に, 酸化チタンは光触媒機能があることから, 屋外での陶板の汚染防止効果も期待できます。 現在, 実用化に向けた最終的な検討を進めています。
(株)GKインダストリアルデザインでの研修風景(中央が筆者)
酸化チタン皮膜の上絵の保護機能

担 当 :九谷焼技術センター 高橋  宏

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