産学官連携の新研究開発がスタート

はじめに
 平成13年度科学技術振興事業団の重点地域研究開発促進事業に当場から2テーマが採択され, 研究開発をスタートさせました。 新しいコーティング技術開発を目指すハイブリッドナノダイヤモンド (HND) 膜の開発と低温で窒化シリコン (SiNx) 膜を形成する装置の開発です。 この事業は産学官の連携プロジェクトで, 当場が中心となって 「研究成果活用プラザ石川」 (辰口町) で研究開発を進めます。
 
ハイブリッドナノダイヤモンド (HND) 膜の開発とその成膜プロセスの確立
ハイブリッドナノダイヤモンド膜の概念図
ハイブリッドナノダイヤモンド膜の概念図
 潟Iンワード技研 (根上町), 金沢工業大学の作道訓之教授と共同で HND 膜作製の研究開発を行います。 HND 膜は, ナノメートル (10億分の1メートル) サイズの微細なナノダイヤモンド粒と DLC (ダイヤモンドライクカーボン) 膜を図のように交互に積層させる新しい膜です。 この研究開発によって, これまで DLC 膜の硬さでは不十分であった機械加工用工具や金型, 摺動部品等の広範囲での利用が期待されます。
担 当 :機械電子部 粟津 薫
低温で窒化シリコン膜を成膜する装置の開発
プラスチックフィルム用低温触媒 CVD 装置概念図
プラスチックフィルム用低温触媒 CVD 装置概念図
 叶ホ川製作所 (松任市), 北陸先端科学技術大学院大学の松村英樹教授と共同で, 窒化シリコン (SiNx) 膜を, 従来の200℃以上から, 100℃程度の低温で成膜できる触媒 CVD 装置を開発します。 この装置は, 右図のように原料ガスを高温の金属線に接触させ, 触媒反応により分解し、 SiNx を成膜します。
 SiNx 膜は非透水性に優れ, 保護膜として使われていますが, 低温で成膜できれば半導体デバイス, ディスプレイ製造工程の低コスト化が図られる他, 新たにプラスチックフィルム (右図参照) への適用なども期待されます。
担 当 :機械電子部 南川 俊治

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